「玉露」の特徴 (お茶の種類について その③)

なんとなく高級なイメージの玉露。
煎茶との違いは何でしょうか。
違いについて知っていると、おみやげや贈答品として選ぶ時にも役立ちそうですね。

◆「玉露」とは日光を遮って育てるお茶
煎茶との違いはその栽培方法にあります。新芽が出てから摘み取りまでずっと日光に当てて育てる煎茶に対し、玉露は早ければ新芽が出始めたら、もしくは茶摘みの2〜3週間前から日光を遮って育てます。 遮光率は初めは70%前後から、茶摘み前には90%以上遮光します。

茶葉は光合成によってテアニン(旨み成分)がカテキン(渋み成分)に変化するため、日光を遮ることでカテキンの増加を抑え、テアニンの含有比率を増やすことができます。つまり、日光を遮ることで、苦みが少なく旨みのある茶葉になるのです。こうして育てられた玉露のまったりとした甘味とコクは、究極の味わいです。
また、茶葉は原色に近い艶やかな濃緑色になり、覆い香と言われる独特の香りも玉露の特徴の一つです。

◆手間暇かけて作られる「玉露」
玉露は年に1回だけ一番茶(新芽を摘んで作るお茶]のみで作られます。新芽は柔らかいので機械で摘むことができず、収穫は基本的に手摘みで行われます。日光を遮って育てるところからこのような手間をかけて大切に作られているので、玉露は高級茶として扱われるのですね。

玉露の美味しい淹れ方のポイントは抽出温度の調節にあります。茶店辰吉(shinkichi)でも、他の緑茶に比べて低い温度でより丁寧にゆっくりと淹れています。少し時間がかかり一煎目はぬるいと感じるかと思いますが、こうすることで玉露の旨みを引き出すことができます。二煎目からはもう少し高い温度でお召し上がりいただけますので、一煎目との違いもぜひお楽しみください。

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